小泉進次郎さんの「解雇規制緩和と雇用流動化」に賛成ですが、同時に失業保険を充実させ、解雇された人がキャリアを生かしてより良い職場に再就職できるようにする議論が日本ではなぜされないのでしょうか？

日本において、解雇規制の緩和と雇用流動化に関する議論は近年活発に行われていますが、失業保険の充実や再就職支援に関する議論が相対的に少ない理由はいくつかあります。

まず、日本の雇用慣行は終身雇用制と年功序列制が根強く、企業は従業員の長期的な雇用を前提としています。このような環境下では、解雇は最後の手段とされ、失業保険の充実や再就職支援の必要性が認識されにくい面があります。

次に、日本の失業保険制度は、失業者に一定期間の生活保障を提供することを目的としていますが、再就職支援に関する具体的な施策は限定的です。これは、失業者の再就職を促進するためのサービスやプログラムが十分に整備されていないことを反映しています。

さらに、日本の労働市場は、高齢化や人口減少により、若年層の雇用機会が減少する一方で、高齢者の再就職支援に関する議論が進んでいます。このような状況下では、失業保険の充実や再就職支援に関する議論が後回しにされがちです。

また、日本の政治的な状況も影響しています。解雇規制の緩和は、企業の経営効率化や雇用の柔軟化を図るために重要な政策とされていますが、失業保険の充実や再就職支援に関する政策は、短期的な経済効果が見えにくく、政治的な優先順位が低いとされています。

以上のような理由から、日本では解雇規制の緩和と雇用流動化に関する議論が先行している一方で、失業保険の充実や再就職支援に関する議論が十分に行われていないのです。今後は、失業者の生活保障だけでなく、再就職支援にも力を入れることが求められています。