年商何億とか利益をあげてるのに賃金あげると苦しいのはなぜですか?従業員全員あわせても一億円の人件費なんてかからないでしょ?
対策と回答
企業が高い収益を上げているにもかかわらず、賃金の引き上げに苦労する理由はいくつかあります。まず、企業の収益はその全てが自由に使える利益ではありません。収益からは、税金、設備投資、研究開発費、借入金の返済、配当金など、多くの支出が差し引かれます。これらの支出を考慮すると、実際に賃金引き上げに回せる資金は限られていることが多いです。
次に、企業は常に競争力を維持するために、市場環境や経済状況に応じて柔軟に資金を配分する必要があります。例えば、市場の変化に対応するための新技術の導入や、顧客サービスの向上に投資することが、長期的な収益性を確保するために重要です。このような投資は、短期的には賃金引き上げにつながらないかもしれませんが、企業の存続と成長に不可欠です。
また、人件費は企業の総費用の一部に過ぎません。他にも、原材料費、光熱費、広告宣伝費、輸送費など、多くの経費がかかります。従業員全員の人件費が一億円であっても、それ以外の経費が大きければ、賃金引き上げに回す余裕がない場合があります。
さらに、企業は経営戦略の一環として、利益の一部を内部留保として蓄えることがあります。これは、不測の事態に備えたり、将来の大規模な投資に備えたりするためです。この内部留保も、賃金引き上げには直接つながらない資金となります。
最後に、賃金政策は労使関係や市場の賃金水準とも密接に関連しています。企業は、従業員のモチベーションを維持し、優秀な人材を確保するために、市場平均や競合他社とのバランスを考慮しながら賃金を設定します。このため、一時的な高収益があっても、すぐに賃金を引き上げることが適切でない場合もあります。
以上のように、企業が高い収益を上げているにもかかわらず賃金引き上げに苦労するのは、収益の使途が多岐にわたり、また経営戦略や市場環境を考慮しなければならないためです。
よくある質問
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