簿記2級における見積計上とはどのような意味ですか？貸倒引当金の場合、見積り額の不足分を補充するということでしょうか？

見積計上とは、将来の経済的利益の流出や収入の減少を予測し、それに基づいて財務諸表に計上することを指します。これは、企業が将来の不確実性を考慮して、財務諸表の信頼性を高めるために行われます。

貸倒引当金の場合、これは売掛金や貸付金などの債権が回収不能になるリスクに備えて設定される引当金です。見積計上において、貸倒引当金は、過去の経験や現在の経済状況などを考慮して、将来回収不能となると予測される債権額を見積もり、その額を引当金として計上します。

見積り額の不足分を補充するというのは、正確には、前期末に計上した貸倒引当金が、今期の見積りに基づく適正額に満たない場合、その不足分を補充して適正額にするということを指します。これにより、財務諸表上の貸倒引当金が、現実のリスクに即した適正な額に保たれることになります。

具体的な会計処理としては、前期末の貸倒引当金残高と今期の見積り額を比較し、不足分を補充するための仕訳を行います。この仕訳により、貸倒引当金勘定が増加し、同時に費用（貸倒引当金繰入）が増加することになります。これにより、企業の財務状態がより正確に反映されるとともに、将来の財務リスクに対する備えが適切になされることになります。